「探偵と助手」(ミステリー)

A・・・・(探偵)

B・・・・(助手)

(場面設定)

事件発生に対し、調査を行う二人


探偵×助手

A「ふむ、鍵の掛かった部屋。肝心の鍵は被害者の手の中、と」
B「先生」
A「おお、戻ったか。どうだった?」
B「はい。屋敷の使用人さんたちに確認しましたが、この部屋の鍵はその一本だけだそうです」
A「そうか」
B「先生、これって」
A「ああ、密室殺人だ」
B「そんな。鍵のかかった部屋で、一体どうやって殺したっていうんですか」
A「まあ待ち給え。それを今から考えるんじゃないか。ん?」
B「どうしました、先生?」
A「被害者の手首に何か細い、傷痕があるな」
B「あ、本当ですね」
A「これは、ワイヤーか何かを引っ掛けていたのか?」
B「ワイヤーですか? でも、この部屋にはワイヤーを通すような隙間や穴はありませんよ?」
A「いや、穴ならある」
B「え?」
A「必ず犯行には穴があるはずだ。どんな殺人も人間が行う以上穴がある」
B「いや、まあそうですけど」
A「我々でその穴を見つけようではないか」
B「そう簡単に見つかりますかねえ」
A「見つかるとも。探偵は如何なる手がかりも見逃さない。見給え」
B「なんですかこれ? 置物?」
A「これはコケシといって、人形の中に人形を入れるジャパニーズマトリョーシカだな」
B「それがどうしたんですか」
A「君は知らないだろうが、本場のコケシはもっと小ぶりなサイズなのだよ。それこそチェストの上に載るくらいのね」
B「え、でもこれ、人の大きさくらいありますけど」
A「そうだね、ちょうど人が隠れられそうなサイズだ」
B「いやそんなまさか」
A「ちなみにそのコケシだが、我々が部屋に入った時点から3ミリほど位置が動いている。ああ、あと普通に口のところに空気穴が開いている」
B「え。じゃあ、この中に犯人が?」
A「大方、ワイヤーの小細工に目を向けさせて気を逸らすつもりだったのだろうが、何単純。真相は犯人はまだ密室内にいた、それだけの話。皆を集め給え」
B「はい」
A「さあ皆の前でお披露目といこうじゃないか、犯人殿?」

狙い

探偵役と助手役。助手役に「聴衆が抱く反応」を担わせてある。台本上、重要な役割となるのは助手側。また、内容の肝として「穴」というフレーズがあるため、うまく引き立てたい。

やり方など

・Bが犯人。

 →それにAは気づいている

 →それにAは気づいていない

・BはAを尊敬していない。


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