「吸血鬼」(のじゃロリ)

A・・・・(血を吸う側)

B・・・・(血を吸われる側)

(場面設定)

Aは血液を吸う場面にあるが、吸うとBはAの眷属となる

(※補足)吸血行為により、吸血鬼は人間を吸血鬼にするが、日光を浴びれなかったり、不老不死になったり今までの人間生活とお別れしなければならない。


顔を気に入った(女吸血鬼)×人間のまま死にたい騎士隊長(男)

A「そなた、妾の眷属となるが良い」
B「断る」
A「なぜだ! 吸血鬼となれば、一生老いることのない肉体を得ることができるのだぞ!」
B「老いるのではなく、熟すのだ。日々の鍛錬を欠かさなければ身体も技も鈍ることはない」
A「だが、その美貌も損なわれしまうぞ?」
B「美貌? 俺の顔など誰も気にはしない」
A「妾がする!
B「は?」
A「せっかく、そのような美しい顔に生まれたのだ。勿体ないとは思わぬか」
B「思わないが」
A「かーっ! これだから、田舎者の騎士は。剣と食い物のことにしか興味がないのか」
B「ないが?」
A「ないが? ではないわい! 今は良くても、いずれ枯れ枝のように老いさらばえて死ぬるときは惨めぞ? ひとりで淋しく命を絶やすのだぞ?」
B「死んだことも老いたこともないやつに言われてもな」
A「ぐっ……、いいや、妾は老いていく人間達をずっと見てきた。もう幾度となく、何百年もな」
B「俺は老いることは不幸だとは思わない」
A「なぜそこまで拒む、人間よ」
B「約束したのだ。おじいちゃんおばあちゃんになってもずっと一緒にいよう、と」
A「は? ……はああああああああああ?!」
B「だから、お前の申し出は断る」
A「待て待て待て。お主、それはふぃ、フィアンセというやつか?」
B「そうだ」
A「いいや、ぜったい嘘だね! 女は顔のいい男が好きなのだ。ぜったいそいつも感じよくみせようとしただけで、捨てられるね! 枯れ木のようにしわくちゃになったお主を見たら、絶対に捨てるね! 間違いない」
B「やめろ、彼女を侮辱するな」
A「むしろ妾のほうが、おじいちゃんおばあちゃんにならずともずっと一緒にいてやれるわい」
B「黙れ化け物」
A「化け物……? 今、お主、なんと……」
B「彼女とは比べようもない。吸血鬼、お前はここで退治する」
A「そうか、お主も妾に剣を向けるのだな」
B「ああ、観念しろ」
A「よい。ならば無理矢理にでも眷属にするまでよ。その前に死なんでくれよ? 人間」
B「俺は死なない。お前を倒す」
A「よいよい。心地よい殺気じゃ。妾が倒れようと、妾に添い遂げることになろうと、お互い文句はなしといこうぞ」

B「臨むところだ」

A「だが、妾のことをブス呼ばわりしたことは許さぬ!」
B「文句はなしじゃなかったのか?」
A「うるさい、顔は良いくせに女の扱いが下手な奴め、うえええええええええええん!」
B「やりづらいな。美人だとは思うぞ」
A「じゃあ、眷属になってくれるか?」
B「いざ、勝負」
A「これだから顔だけの男はああああ!」

狙い

人外の吸血鬼が、威厳を保とうとするも、すぐに崩れる様を楽しむギャグテイストの台本。俗にいう「のじゃロリ」キャラ。女吸血鬼側の豊かな感情表現を際立たせるために、男側は淡々とした台詞回しになっている。淡々とした中でも、婚約者のことを思ったり、勝負のかけ声であったり、感情を出しやすい台詞を配置。

やり方など

・Aは他の吸血鬼から婚期の遅れや旦那のことで日々(年々)マウントをとられている。

・Aにとって「おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒」という約束は、かつて叶えることができなかった呪いの言葉である。

・実はすでにBは眷属にされているが、ここ数百年の記憶を失っている(Aは覚えている)

・Bのフィアンセはすでに死んでおり、年老いることができなかった。

・BはAを葬ることで得た報奨金がないと、挙式できない(予算不足)。

・Aの容姿がBの婚約者に酷似しているため、Bは邪念を払おうとしている。


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