A「はあ、今日も疲れた。一日の疲れは風呂で取るに限る――」
B「きゃあ!」
A「え?」
B「な、な、な」
A「あ、そっか。今日からだっけ。新しい入居者がいるって父さん言ってたな」
B「早く閉めてよ。変態」
A「え、あ、ごめんなさい」
B「女の子の裸を見てその態度はなんなの」
A「あ、リアクションが薄かった? じゃあやり直すね」
B「きゃあ! 馬鹿じゃないの」
A「どうすればいいのさ」
B「謝って」
A「へ?」
B「私の裸を見たこと謝って」
A「いや、さっき謝ったし」
B「誠意が感じられなかった」
A「誠意って言うけどさ。それに見合うだけの裸だったかな? 果たして」
B「え?」
A「こちらに誠意を求めるなら、それ相応の態度ってものがあるよね?」
B「何言ってんのよ、こっちは被害者よ」
A「謝って欲しいんだよね?」
B「当然」
A「じゃあ、謝罪に足るだけの被害が必要だよね」
B「だから、見たじゃない」
A「何を?」
B「何をって……何言ってるの」
A「そっちこそ何の話ししてるの」
B「だから、私の胸を」
A「胸? 胸なら問題ないよね。人間の身体の一部なんだし」
B「裸を見たのが問題なの」
A「裸って言っても、プールにでも行けばそんなのいくらでもいるし、そんなに問題かな。具体的にどこが問題だったの?」
B「それは、私のお」
A「お?」
B「おっ――何言わせるのよ、変態」
A「疲れた身体に染み渡るなあ」
変態と呼ばれるも、居直り強盗のように開き直る少年のキャラクター性と、罵倒していたものの途中でパワーバランスが崩れるちょっと頭の弱い少女のキャラクター性を見せる台本。
・少年は大家の息子の立場であるので、立場上引け目がない
・少年はゲイであるため、女性の身体に興味がない(もしくは嫌悪感を抱いている)
・少年はマゾ
・少女は少年に密かに恋心を抱いている
・少女はアイドル(つまり容姿に商品価値がある)
・少女の身体には火傷や傷といった、見られて面白くない痕がある