「納骨」(ミステリー)

A・・・・(娘)

B・・・・(母)

(場面設定)

父親が死んで納骨を行うシーン。


娘(A)×母(B)

A「お父さん、軽くなったね」
B「昔から面倒ごとが嫌いな人だったからね。火葬場の人もこんなに綺麗に燃えきったのはそうそうないって」
A「お母さん」
B「どうしたの?」
A「お父さんってさ、昔から健康にはうるさかったよね」
B「そうね」
A「毎日毎日歯を磨けって、虫歯一つなかったよね」
B「そうね」
A「ねえ、金歯あるよ」
B「え、あら本当」
A「お父さん金歯あったの?」
B「お父さんから格好悪いからあなたには内緒にしておいてって言われてたけど、実はね」
A「交通事故で、顔もわからないくらいぐちゃぐちゃだって刑事さんが言ってたけどお父さんってどうやってわかったんだっけ」
B「真横にお父さんの免許証が入ったカバンが落ちてたって」
A「お母さん」
B「どうしたの?」
A「私ね。実はお父さんに先月口の中を自慢されたの。だから知ってるの。お父さんに金歯なんてないよね」
B「賢いところは私に似たのね」
A「お母さん」
B「お父さんね、ちょっとへまをやらかして危ない人たちに目をつけられちゃったの」
A「今生きてるの?」
B「生きてはいないわ。危ない人たちに目をつけられちゃったって言ったでしょ」
A「何?」
B「愚かなところはお父さんに似たのね」
A「お母さん」
B「いらないところまで知ったケジメはつけてもらわないとね。向こうでお父さんに会ったら『ごめんね』って言っておいて。ああでもおんなじところに行くかはわからないわね」
A「お母さん。あなたがお父さんを殺したのね」

狙い

ミステリー風の演出と、やさしいはずの母が人でなしというギャップによるキャラ立てを行うのが狙い。娘は父の敵討ちをするような構図になっているため、根っからの主人公タイプ。

やり方など

・母は本当は娘を殺したくない

・母は娘を初めから始末するつもりだった

・娘は母の凶行に初めから気づいている

・娘が気づいたのは「~実はね」の台詞の時点


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