A「あ、お疲れ様です」
B「お疲れ様ー。今休憩?」
A「はい、先輩も今からお昼ですか?」
B「そう。まったく、昼休み10分前に書類持ってくんなってハナシ。『あ、これ午後イチの会議で使うからレジュメ。簡単でいいから』ってじゃあお前が10分で終わらせろよ、簡単に」
A「先輩荒れてますね」
B「そりゃ荒れるわよ。前々からあのハゲ部長、何かと私に絡んでくるんだけど、もーめんどくさい。今度会話を録音して、あいつの奥さんに送りつけてやろうかしら、匿名で」
A「はは、ウチのタヌキ上司といい勝負ですよ」
B「あー、あんたのとこも大変だもんね。あ、誰か来た」
A「んんっ。あ、せんぱーい。最近シャンプー変えたんですかあ? すっごいいいにおい」
B「わかる? もう髪ツヤがいい感じでしょ。駅前に新しくできた輸入専門店で買ったんだけど、もーこれがすっごいよくてー……行ったわね」
A「行きましたね」
B「はあ、誰が聞き耳立ててるかわかんないからね」
A「危ないですよね」
B「一応、社内彼女にしたい系女子ナンバーワンでとおってるから、私」
A「私も健気に仕事頑張る系若手で通ってますからね」
B「ふふふふ」
A「あははは」
B「あー、くだんな」
A「こんなんで騙される奴ら、本当多すぎ」
B「あんただけよ、私の後輩名乗っていいのは。他の奴らは全然ついてこないし」
A「先輩だけですよ、私の先輩をやってくれるのは。他の人たちはなんか違うなーって思うし」
B「まあ、午後からもお互い頑張りましょ。言ってもう半分過ぎてるけどね」
A「どうせ今日も残業だから、変わらないですよ」
B「そうね。じゃあ、私先に行くわね」
A「お疲れ様です」
B「(遠くのほうで)あ、部長お疲れ様です。あ、もうレジュメ作り頑張っちゃいましたよ」
A「ふう、めんどくさい女。だから後輩がついてこないのよ」
B「(遠くで)なんか言ったー?」
A「あ、いいえ、何も」
B「そう」
女の裏表と、テンションの落差で魅せるギャグのシナリオ。