「わたし、洗濯機です。毎日お母さんが早起きしてわたしのスイッチを入れます。わたしは毎朝、ごうんごうんと音を立てます。たまにとても危ないこともありますが。たまに、粉洗剤の箱を開けたまま私の上に置きっぱなしにするんです。お母さん気づいて-! 眠いのはわかるけど、わたしもどうしようもないよー」
「わたし、洗濯機です。毎日お母さんが早起きしてわたしのスイッチを入れます。わたしは毎朝、ごうんごうんと音を立てます。ですが、たまにとても危ないことがあります。ええ、置き忘れです。私の上に蓋が開いたのままの粉洗剤が。 お母さんを呼ぼうと激しく動くわけにもいかず、ああ、どうしたらいいんでしょう」
少し仕事にも慣れてきて、皮肉を覚えた洗濯機ちゃん。元台本を「少女性」や「初心(うぶ)」として演技した場合の、年齢・成長の変化を楽しむ演技用の味変。
「わたし、洗濯機です。毎日お母さんが早起きしてわたしのスイッチを入れます。わたしは毎朝、ごうんごうんと音を立てます。たまにとても危ないことがあります。たまに、粉洗剤の蓋が開いたままで、私の上に置き忘れちゃうのです。お母さんは全然気づきません。まだ眠いのでしょうね。二度寝の邪魔をしないように少しだけ静かに動きましょうね」
おだやか。
「正直に申し上げます。もう汚れ仕事は勘弁なのです。掃除機ですから? 汚れを吸いますし? 掃除が仕事、生き甲斐ですよ。でも私の掃除もして欲しーい。私、床を掃除します。」
「わたし、洗濯機です。毎日お母さんが早起きしてわたしのスイッチを入れます。わたしは毎朝、ごうんごうんと音を立てます。たまにとても危ないこともありますが。あなた」