「こんばんは」(色気)

注意)若干センシティブな内容を含みます

語り手・・・色気を醸す男性


彼氏(大人)

「こんばんは。来ちゃった。最近疲れてるみたいだったからさ、元気の出るモノとでも思ってさ。ん? なんで手ぶらなのかって? よく見てよほら。ここにあるでしょ、元気の出るもの。俺だけじゃ不満かい? なんて、嘘だよ。ちゃんと君の好きな壺プリン買ってあるから。黒蜜がたっぷりかかったやつ。きっと甘くておいしいよ。ほら、中に入ろ? おいで」

狙い

元気の出るモノ=俺 という「自信家」のキャラクター。全体的に問いかけ(「?」の多様)により聞き手に強く働きかける構文にしている。途中の「なんて嘘だよ」のところはちゃんと相手の反応を想定して演技する、または「緊張と緩和」を心がけてみても。冒頭は「元気の出るモノと思って、さ」と、読点を追加しても面白いかも。また、センシティブではあるが、「壺」「蜜」「甘くておいしい」「中に入る」といった隠語のラッシュからのトドメ「おいで」という構成にしている。


魔性の(ショタ)

「こんばんは、お姉さん。こんな夜中に女の人が一人で歩いてたら危ないよ? ボク? ボクは大丈夫だよ。夜は好きなんだ。誰も彼もが眠ってる。起きてるのは悪い子だけ。ねえ、お姉さんも悪い子? 顔も真っ赤で、足もふらついてる。あはっ、怖がらないでよ。見ての通りボクはか弱い男の子だよ。でも、今のお姉さんくらいなら……なーんちゃって。どう? 酔いは醒めた?」

狙い

「ボクは大丈夫」→だって夜が好きだもん! という謎持論を展開するあたりにミステリアスさを出した。「起きてるのは悪い子だけ」のあたりから、怪しさや緊張感を加速していく構成。じりじりと詰め寄る距離感や、少年の視点が上から下に移動(=品定め)している点などもうまく活用していきたい。それはそれとして最後は無邪気でフィニッシュ。いや、ショタの無邪気さなんて何も安心できはしないのだが。


不良少年

「こんばんは。先輩遅かったっすね。ここ穴場なんですよ。みんな海岸のほうから花火見るから、山のほうには全然……ってちょっと近くないっすか? ま、まあ狭いから仕方ないか。……あの、匂いが。いや。その。すんません。花火、始まりましたね。……ちょっと?! なんなんすか、俺も一応男なんで、抑えとかあんまし利かなくなるかもしんねえっすよ?」

狙い

先輩に誘惑されて段々若さ故の性欲が抑えられなくなり最後には上下逆転! 押し倒す二人のシルエットと鮮やかな花火! という構図に持って行きたかっただけのもの。「……ちょっと!」のほうで先輩からどのようなアプローチをかけられたかちゃんと設定を練りたい。手を握るだとか、頭をもたげるだとか。


落ち着いた(大人)

「ふふ、こんばんは。家の前でポチが騒いでると思ったら、来てたの。ポチ、家に戻ってなさい。いい子だ、あとでジャーキーをあげようね。ふふ、あんまり吠えるような子じゃないんだけど、ポチ同士譲れないものでもあったかな? ほーら、拗ねない。こっちのポチにはジャーキー、をあげても仕方ないか。何が欲しいの? 言ってごらん?」

狙い

大事なのは「家の門前でこのやりとりが行われている」ということです。このキャラは人間のほうのポチが何を欲しているかわかったうえで、それをポチの口から言わせようとしています。家に上がり込み情事にもつれ込ませたいという覚悟を試している「大人の余裕」と単に捉えてもいいですが、「大人の余裕ぶるためにマウントをとっているだけ」ととるのも可です。こういうキャラクターは往々にしてあとから「大人の余裕が崩れる瞬間のギャップ」で魅せることになるので、この時点で魅せる大人の余裕は作り物くさくてもよいのです。(※個人の見解です)

それはそれとて、人間と犬をそれぞれ同列に「ポチ」扱いしている点や、「家に戻れ」→「ジャーキー」という飴と鞭の使い手であるところにキャラクター性を持たせている&犬のポチは家に入れたが、人間のポチはまだ入れていないという物語上のギミックをうまく活用しましょう。


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