「八百屋の娘」(元気系)

(場面設定)

八百屋のひとり娘は今日も元気いっぱい 


お客さん

「いらっしゃいませー! 今日はホウレン草がお安いですよー! あ、お客さんお目が高いですね。その白菜は私とお父さんが農家の山田さんのところに頼み込んで頼み込んで卸してもらった一級品ですよ。山田さんのとこはいい土してるから、見てください! この白菜、ハリがいいでしょう? お鍋にしてよし、マヨで和えるもよし! ハジメテ記念ということでお安くしときますよ!」

狙い

元気のよさを全面に出した台本。また他のキーワードとして「仕事愛」と、「人と人としてのつきあいのよさ」を前面に出した好感度の高いキャラを演じることができる。土や野菜へのコメントをする際に変態くささを滲ませることもできるし、ちょっと癖のあるフレーズとして「マヨ」をうまく活用できる。また、最後の割引をする前に「んー……」などと、値踏みのアドリブを入れるなど、遊びもある台本に仕上げた。


常連の親父

「ちょっと、おっちゃーん! いい加減会うたびに『彼氏はできたか?』って訊くのやめてくれるー? それセクハラなんですけど。それで二言目には『俺がもらってやろうか』……出た。いいのー? 奥さんに言いつけちゃうからね? ……まったくもう、で? メモあるんでしょ? ん。いい加減、おっちゃんも奥さんのメモなしで野菜くらい買えるようになりなよねー」

狙い

女子の放つ「おっちゃん呼び」――それだけで破壊力と親近感のあるフレーズであるはず(当社比)。『俺がもらってやろうか』はおっちゃんと夢のハモりが実現。物まねしてもよし、うんざり被せてもよし。最後の「野菜くらい買えるようになりなよね」は呆れてもよし、トゲを刺してもよし。でも、なんだかんだメモを使ってでもウチを利用し続けてくれる常連さんへの愛や敬意は忘れてはならない。ん。のところで手を出すなどの動作も入れられるようにした。


店長の親父

「お父さん! また店番サボったでしょ! うっ。酒くさぁ! 八百屋が昼間から酒の匂いさせてどーすんの! ほら! さっさと裏行ってお水飲んできて! へーい、じゃなくて! 私、期末テスト前なんだからねー!? 右手にネギを持ってお客さんを捌き、左手では単語帳をめくり……ってなんで缶ビール開けてるのよ! ……おかーさーん! おとーさんが-!」 

狙い

駄目親父を叱る台本。最終的に遠く(母屋かな?)にいる母親にチクるところでオチ。「右手にネギ~左手に単語帳~」は芝居がかることになると思うが、「缶ビール開栓の音(カシュッ)」で現実に引き戻されることを意識したい。


配送の兄ちゃん

「こ、こんにちは! 野菜の配達お疲れさまです。今日も暑いですね。あ、のど渇きませんか? ちょうど冷やしてるから。私、小さいころから麦茶冷やすのはうまいんですよ。……(転ぶ)きゃっ! 誰よこんなところにジャガイモ転がしたのは……。あ、やだ! 恥ずかしいところ見られちゃっ……いや! 手! 泥で汚れてるから……ありがとう、ございます」

狙い

恋せよ、乙女。話題の引き出しが天気(ダメポイント①)で、麦茶を冷やす技量の自慢(意味不明ポイント②)、自分が管理していないジャガイモにキレる(支離滅裂ポイント③)でダメなところを見せたあとに王子役の配送業者のお兄さんが差し伸べた手を取り赤らめる少女漫画の一幕のようなシーン。ジャガイモに八つ当たりしようと手を振りかざしてもいいし、手を差し伸べられて腕を後ろに隠してもいいし、腕の動きを意識したいところ。


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