語り手・・・教師
聞き手・・・生徒
(場面設定)
「教師」という優位性を利用して活き活きする悪役ポジだったり、翻弄する感じのお姉さんだったり
「出席番号18番。登壇して、教科書82ページの問い、『光の音の距離における演算問題』の回答を板書なさい。どうしたの? 早く前へ。予習はして来ているはずよね? いつもの貴方なら簡単なはずよ。ほら、自分に自信を持って。はあ、仕方ないわね。それじゃあ、また1から教え直してあげる。みんなもよく見ておくのよ。では基本のおさらいからいきましょうか」
「大衆の前で恥をかかせる」という状況になるため、それを確信犯的に行なったのか、恥をかかせまいととっさにフォローをしているのか、『光と音の距離』という二人だけの隠語として恋仲にある等、出席番号18番とだけ通じる意味があるのか。意地悪にやるのか、厳格にやるのか、色気を出すのか等。やりようはいくらでもある台本。どうしたの? 予習は~? の個人への投げかけと対比として「みんなも~」と全体への投げかけを配置しているのでうまく差別化に活用してほしい。
「さすが、優秀ですね。それでこそ私の教え子です。先生も鼻が高いですよ。今のあなたなら応用の課題を出してみてもいいかもしれません。こんなに早く成長するだなんて思ってもみませんでした。それじゃあ早速準備しますね。使い方を間違えると腕が一本飛んじゃうかもしれませんけれど、あなたなら大丈夫です。先生の教え子ですもの。期待してますよ」
「私の教え子です」→褒める 「先生の教え子ですもの」→追い詰める という前半で上げて後半で落とす台本。「腕が吹き飛ぶ」という情報で一気に台本の色が変わるので、その情報をどのような温度で出すかが重要。最後の「期待してますよ」で余韻を残しやすいようにした。純真に教え子を溺愛してもいいし、教え子を追い詰めるサディストを演じてもいい。イメージがつきづらいなら、林業従事者が伐採のためにチェンソーの講習を行っているとお考えください。
「いいですか、校長先生に訊かれたら『自習をしていました』と言うんですよ。あなたたちは13時10分から14時までの五限目の時間中、教室で黙々と誰一人欠けることなく自習をしていた、そうですね? それでは先生と委員長は準備室で『実験』の用意をしていますので。じゃあ、委員長。準備はできてますね。あなたたちは何も聞こえない、自習に励む優等生です」
教室の生徒全員を共犯者(黙殺の強要)にする教師の台本。なぜ委員長だけ? 校長先生は勘づいているの? 実験って何? と余白をこれでもかとふんだんに入れているので、聞き手の想像力をかき立てやすくしている。
「どうしてこんな簡単な問題がわからないの! 先生、先週も教えましたよね。ここの数式は間違いやすいから、この法則を使いなさいって。どうして言われたことができないの。理解ができない? 先生なの? 先生の教え方が悪かった? そうよね、違うわよね。あなたたちの熱意が足りないだけだものね。ああうるさい! チャイムが鳴りましたが延長戦です。全問正解するまで終わりませんよ」
延長戦とかねえよ! というギャグ台本。今回のストレス発散枠。一方的にわめき散らすだけだから生徒の習熟度が高まらないんですよ、という台本上の設定は守りつつ、しっかりキャラを立てていきたい。武器として「あなたたちの熱量が足りてないだけだものね!(意訳:私は足りてるわ!)」「チャイムにキレる」を活用して欲しい。