「いい加減休め? ダイジョウブ、ダイジョウブ。まだ休まなくても倒れやしないよ。その辺の加減はそこら辺の奴らより十分わかってるから。あたしの経験上、あと2徹はイケるね。ホントに大丈夫だって。メス握ってないほうが身体に悪いって。患者さんもまだいっぱいいるわけだしさあ。それに自分が倒れたら、自分で手術すればいいだけだしね。さ、オペ行くよ」
立場として、最後の声掛けから、自分のほうが会話相手より力関係(立場)が上であり、心配を掛けたことへ安心感を与える、という台本。冗談が無理を言っているようにも演出できるし、本気で言ってるようにも演出できるし、話半分でも、脅すようにも狂気的にも、やりかたは自由。最初の発言で呆れても、怒っても、苦笑してもよい。冒頭で方向性が決まる。
「オーダーミスで色の指定が通ってなかったてぇ!? 奥様は今の色味のままでもいいって、そりゃあ中途半端なモノは作ってないからねぇ! 納得だってするさ。だが、素人さんは納得しても、わたしは納得してない。お客のご要望に添えてなかった。じゃあ、コイツはまだまだ化ける余地があるってもんだ。パーティーは明後日? 知らないね。生地持って来て! さ、仕上げるよ」
感情豊かな台本。「納得のいかない」という感情がメイン。周囲はそのままでいいと言っている状況。「わたしは納得していない」という台詞にどのような色を出すかが肝要。
「本日、第三課から提出の領収証が全部で3枚、コピー機トナー代事務消耗品:23,800円、これはよし。取引先との会食交際費:料亭「かねやす」68,500円、これも、まあよし。ジャイアントパンダの餌、笹200本:19,800円。なんですかこれは。ふふ、ふふふ、また舐めた申請を出してくれますこと。来期の予算、2割減にしてやろうかしら。ふふ、部長の吠え面が楽しみだわ」
「第三課」から始まり数字だの「餌、笹」だの、言いづらいがひと息に言いたいデータ群の台詞。単純に技量を問われる台本。根暗キャラとしてもいい、ドSキャラとしてもいい。「腕が鳴るわぁ」という感情。仕事しながら口に出しちゃう系女子。リズム感も出しやすくしている。
「うがぁああああ! 放せ! 仕事! まだ仕事はあるんだろ? いいよ、それあたしがやったげるから! 無理ぃ。動いてないと脳みそ腐るぅ。いいじゃん、みんなの仕事は減って、みんなは幸せ! あたしも幸せ! 仕事ちょーだいよぉ! あ、同期クン! 仕事、溜まってない? 君のとこのプロジェクト忙しいって聞いたよぉ。仕事-、仕事をよこしてぇ!」
今回のストレス発散枠。キャラの癖は強い。明確に「仕事が欲しい」という目的があるため、他人から押さえつけられながらも、人の仕事すら欲しがる狂気をうまく演技に乗せたい。あとは、暴れる・拘束の「動き」もうまく組み込みたいところ。頻出する「仕事」というキーワードを上手に利用すること。