「神官」(格式)

語り手・・・教会の人

聞き手・・・信者、あるいは同僚

(場面設定)

信仰の下、権力を有している


マニュアル神官

「ようこそお越しくださいました。まもなく礼拝が始まります。『世俗の汚れ』をこちらの『清めの泉』にお投げ入れのうえ、ご入場ください。どうぞ? こちらに。あなたの『欲』を投げ捨てるのです。その懐の。いいえ、パンではありません。そちらは自分でお食べなさい。そのパンを買うための、いいえ小麦ではなくてですね。丸いこのくらいの、そうですね。木の実もしまっておきましょうか。ええい、なんと言えば伝わるのでしょうか」

狙い

教義として『お金』と直接的な表現ができない。そのルールを頑なに守っている。説明に困ったり、ツッコミをしたりだとかそんな台本。また聴衆に視覚情報を想起させる腕も必要。


わたしは、えらい

「敬い、畏れるのです。畏敬の念を以て接すれば、必ずや神は微笑みを向けてくれることでしょう。あなたがたも日々の祈りを欠かさなければ、ええ、きっと神のお声を聞くことも出来ますよ、このわたしのように。崇めなさい、崇めるのです。神の声も聞けぬなど、祈りが、信仰が足りていないのです。あなたがたにできることは、祈ることだけ。さあ、手を組んで。捧げましょう、祈りを」

狙い

お前達にできるのはその程度なのですから。


通過儀礼

「もうやめて欲しい? よくもまあ、そんなことをほざくだなんて。入信の儀式はこれから三日三晩あるのですよ? 初夜も迎えぬうちから清めの『聖水』がいくらあっても足りませんね。いい表情です。かの聖者クレメンスは雷に打たれたとき啓示を授かったそうですが、全身に『教え』が染み渡るでしょう。さあ、続きをやりましょうか。我々はあなたの入信を歓迎していますよ」 

狙い

拷問オン拷問。丁寧な口調や『聖水』『教え』という語感と裏腹の語彙をうまく滲ませたい台本。途中で聖水を振りかける動作がある。また、ただのサディストとしてのキャラ設定にしてもよい。


はっちゃけ神官

「はい! ようこそお越しくださいました、異教徒の皆様。我らが主は空よりも広いお心で、あなたがたは実に幸運です。主はあなたがたでさえ、信徒として迎え入れても良い、とのことでした。主よ、尊大なお心、感謝します。ちなみに『信じぬ者は主の御許へお送りせよ』が我らの教義です。その反抗的な目をあと一秒でも続けられるのであれば、――よろしい。人間素直が一番ですね。主もきっとお喜びでしょう。さあ、この幸せを分かち合いましょう」

狙い

異教徒に対する台詞と、主に対する台詞と、身内になった者への台詞への感情の三段活用。それはそれとて感情の振れ幅が大きかったり、距離感が広かったり、のびのびと演じることを想定した台本。


← ひとり用台本に戻る

← 台本置き場に戻る