「三丁目のビル屋上に不審物あり? 形状は? 立方体で赤色? じゃあ、数年前に流行った『レッドボム』かなあ。んー、そうすると、極小3mm(ミリ)のニッパーが必要になるなあ。あれ? でも今備品にあったけかなあ。いや、ない。なかったよね。全部貸し出し中だったよね。どうしよ。最悪ニードルでなんとかするか? いやでもなあ、あ、はいっ! 今から出れます!」
オタクな一面と、組織内での役割との二面性を出した台本。備品がないことに気づく=焦り出す といった、どこで感情を変化させるかきちんと見極めたい。
「はあーっ(溜息)。行きたくねえ、行きたくねえなあ。大体なんで俺が爆弾処理班なんだよ。知ってる? 俺、射撃成績主席よ? 爆弾なんて銃で撃ったら最後、おしまいじゃんよお。てかまだ現場つかないの? え? どうしたライフルなんて出して。間に合わない? ここから狙撃してケーブルを断つ? おいおい、頼めるかって、誰にモノ言ってんの? 楽勝なんすけど」
やる気のなさから一転、お家芸を任されて「ウズウズ」や「やってやんよ」といった、冒頭と終盤で感情が180度変わる台本。ギャップをうまく見せたい。ダウナー系や低音ボイスキャラのサンプルにもどうぞ。「焦り」という点に焦点を当てるとすれば、普段から狙撃手としての吹聴が「嘘」であると設定し、嘘がばれて焦る台本でもある。
「ええと、このタイプの爆弾はわずかな震動を感知して爆発しちゃうから、そーっと、そーっと、ああ、駄目だ! 手が震える。治まれ、治まれ、時間がないんだ。この爆弾を解除しないと何百人の命が、ってか俺が死んじゃう! はーっ! はーっ! 深呼吸。深呼吸だ。俺はできる子俺はできる子。俺はできる……ええい! 神様! お願いします!」
テンパる人の台本。自己暗示で冷静さを取り戻そうと試みるも、結局神頼みになってしまう。落ち着きのないキャラのボイスサンプルや緊張感を伝える演技にどうぞ。
「はは、ははは。やった、無事に爆弾解除できた。とりあえず本部に通信を――ってあれ? え? どうして、タイマーが止まってないの? 嘘。止まって。止まってよ! なんで、コードは全部解除したのに。あっ、本部ですか、解除したはずの爆弾がまだ動いて――え? すぐに退避? そんな、このまま爆弾を放置したら人命が。いや、僕だって死にたくはありませんよ。どうしよう」
安堵→からの焦り。本部からの引き上げ命令、人命、自分の技術力、三竦みの状態で、起爆までの時間の中での焦りを表現する台本。終盤に「僕だって死にたくない」「どうしよう」と直接な心情表現と抽象的な心情表現を並べているので、演技プランに幅を持たせている。