「動物図鑑」(教材ナレーション)

語り手・・・動物図鑑の一節を読み上げている

 

(参照:Wikipedia)


ニホンザル

「ニホンザルは、日本に生息する霊長類で、主に森に生息しています。木の上でも、地上でも活動し、体長は55センチメートル程度と小柄ですが、オスは犬歯が発達しており、迂闊に野生のニホンザルに近づくと噛みつかれてしまうこともあります。また、高い知能を有しており、海岸では、海水を使ってイモを洗ってから食べるといった行動も確認されています」

狙い

導入の情報→危険性を訴える→褒める といった、傾斜をつけやすいナレーション原稿


ハチドリ

「鳥の中でも、とても身体が小さなほうで、その重さはなんとわずか2グラムから20グラムほどしかありません。ブンブンと羽音を立てながら1秒間に最高で80回もの羽ばたきを行い、空中で静止するホバリング飛行はハチドリの十八番(じゅうはちばん)。細長いクチバシをそっと花に差し込み蜜を吸う姿はまるで可憐な蝶のようです」

狙い

褒めちっぎた台本。「とても」「なんと」「わずか」「ブンブンと」「最高で」「そっと」「まるで」といった、多用された副詞により感情を込めやすくした。また、数字データが多い中、慣用表現としての「十八番」との違い。聞かせるべき数字と聞かせなくても良い数字の区別ははっきりしたいところ。


クジラ(鯨骨生物群集)

「広い海の中でも、いっとう大きなカラダを持つクジラ。そのクジラが、海で最後の命を終えたとき、海の底に沈んだそのカラダは長い長い時間を経て海に溶けていく。分解の過程で生じた様々な物質に集う、細菌や軟体動物たちの独自生態系。堅牢な骨は魚たちのマンションに。クジラのカラダはその生涯を終えても、海で続いていく」 

狙い

ロマンのあるような、詩的な言い回しの台本。海とクジラのサイズや、命(時間)の流れ、といった連動させた表現の相乗効果をうまく使いたい。通常、図鑑にないような比喩表現を用いている。台本の狙いとしては、図鑑の端書きとして、子供(小学生)に、そのまま図鑑をめくりたくなるような「冒険の序章」といった役割。また「クジラ」と「カラダ」という、似た響きのキーワードをうまく立てることが重要。


ヒポポタマス(カバ)

「ヒポポタマス――日本語で「河の馬」と書いてカバ――はそのずんぐりした体型やイメージから、おっとりしたのんびり屋かと思われがちだが、その性格は獰猛。アフリカで年間500人もの死亡者を出し、縄張りに侵入したワニはカバに噛みつかれ、その身体が真っ二つになった。あなたが馬鹿でないのなら、彼らがいる川には近づかない方が賢明だろう」

狙い

○「ヒポポタマス」「『かわ』と『かば』の音の違い」→滑舌、―(ダッシュ)による引用の言い換え方、といった、スキルを問う難易度を上げた課題的な台本。前編後編で「色」を分けて緩急つけても良し、最後まで全編通して警告として読むも良し。「カバ」と「馬鹿」の皮肉をどう表現するかも腕の見せ所。


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