(場面設定)
入院している。
(タグ)♯少女 ♯大人(女) ♯老人(女) ♯子供 ♯日常系
「 ベッドのところのボタンを押すとね、看護師さんが慌てて飛んでくるの。最近は車椅子の運転も慣れたし、松葉杖? もカッコいいと思うけど、あなたじゃ身長が足りないねって言われちゃった。大きくなってから骨折するしかないのかなあ 。でも、痛いから嫌だなあ 」
「はあ。ホント病院って退屈。やることない、テレビはおんなじような内容ばっかだし。大体、レモンは苦手だって言ってるのに、なんでレモンゼリーなんか買ってくるかなあ。ホント、退屈。病院が爆発したりしないかなあ。爆発したら、面白いと思うんだけどな。はあ。……すっぱ。やっぱ退屈」
「不機嫌な女の子」の台本。ひねたようにも悪意があるようにも、卑屈なようにもお好みで演出可。どちらかといえばマイナス寄りのネガティブ系な雰囲気を出しやすい。
「 困った。入院するのは仕方ないけど、仕事は急にほっぽり出してきちゃったから引き続きなんてできてないし、アレ? 確か電気料金の支払い今週までじゃなかった? 電気止まったらどうしよう。ていうか、冷蔵庫の中身腐ったらどうしよう。いただきものの松坂牛のサーロイン、まだ冷凍庫に眠ったままなのに。何とかせねば。ところで、病院って携帯電話使ってよかったけ?」
うろたえる大人の台本。自分の病状よりも周りを優先してしまう典型的な日本人。自問自答でリズムを作っているので、耳当たりのよい演技ができる。
「 こんにちは。ええ、私はもう半年ここにおりますから、この病院のことはなんでも知ってますよ。みんなもよくお見舞いに来てくれます。でもね、おばあちゃんひとりじゃ全部食べきれないから、よかったら蜜柑、もらっていって。あなたはなんで入院してるの? え、明日手術? 大丈夫よ、外科でしょ? 外科の斉藤先生は腕利きだし、外科手術で退院できなかった人は、おばあちゃんの知る限り一人もいないわ」
入院のベテランおばあちゃんの台本。まず蜜柑をあげてから、相手のことを聞き出す、お見舞いにたくさん人が来る、外科の先生の名前まで知っている、安心させてくれる、というとにかく人柄のよさを前面に押し出した台本。
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