「落とし物」(百合系)

A・・・・(女性)

B・・・・(女性)

(場面設定)

Aが自動販売機の下に手を入れて、何かを探している。


落とした人(女)×友人(女)

A「もうちょい……もうちょいだから……」
B「何してんの?」
A「あ、いいところに来た。腕細い? 細いね」
B「まあ、普通の人よりは細いと思うけど」
A「ね、ちょっとここに手、突っ込んでくれない?」
B「え、やだよ。怖いよ」
A「いやあ、ちょっと落とし物しちゃって、割と奥の方まで入り込んだみたいで私じゃ手が届かないんだよね」
B「棒とか使えばいいじゃん」
A「馬鹿? 棒じゃ逆に奥までいっちゃうでしゃ」
B「それが人にモノを頼む態度? お疲れ様」
A「ああっ、いかないで! お願いします。このとおり! 一生に……何度かのお願い」
B「そうだよね、昨日も聞いたからね、お願い」
A「なんだかんだ聞いてくれるあんたが好き」
B「調子のいいこと。ここ?」
A「そう、そこ。入りそう?」
B「うん。あ、今なんか指に当たった」
A「取れそう? 取れそう?」
B「ちょい待って、あ、掴めた。ん? これ何? なんか濡れてる?」
A「さっきまで舐めてた飴玉。あくびした拍子に落ちちゃって」
B「きゃあ! なんてモン触らせてんのよ」
A「大丈夫。イチゴ味だから」
B「何の解決にもなっとらんわ! 第一、落ちた飴なんてもう食べられないでしょうが」
A「三秒ルール」
B「アンタの三秒は何秒なわけ?」
A「ちょっと人とは違う時間(とき)を生きてるからさ」
B「はいはい。で、ホントは?」
A「いつも利用させてもらってる自販機に蟻が集っても忍びないかなあ、と思って」
B「本当、無駄なところで律儀なんだから」
A「そうは言いつついつも付き合ってくれるあなたに言われたくありませーん」
B「うっさい」

狙い

人間関係を演出したい台本。お互いにちょうどいい力関係や距離感をどう表現するか。落とした飴を拾うというAの突飛な行動からの応酬でコミカルなシーンとしても演出したい。

やり方など

・AはBに嫌がらせがしたい

・AはBがどこまで自分の言うことを聞いてくれるか試したい

・AはBに惚れている

・BはAに対して負い目がある

・BはAに惚れている

・BはAに復讐のために近づいている

・飴は毒物


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