「花の名前」(不思議系)

A・・・・(女)

B・・・・(女)

(場面設定)

道端。


少女×女性

A「綺麗。なんて名前の花だろ」
B「竜胆」
A「え、あ、……どうも?」
B「竜胆っていうのよ、その花」
A「ああ、これ竜胆っていうんですか。ありがとうございますわざわざ」
B「いいえ。お嬢さんがあんまり熱心に見ているからつい声かけちゃった」
A「そんなに見てました、私」
B「まあかれこれ5分はそのままだったと思うわ」
A「うわー、恥ずかしい」
B「お嬢さんはその花のどこがかわいいと思ったの?」
A「え、普通に色が綺麗だなーと思って。ちょっと悲しいなっ感じの色ですけど」
B「ふふっ」
A「どうして笑うんですか」
B「お嬢さんとその花も相思相愛なのね」
A「え? この花が私のこと好きなんですか」
B「そうね。大好きだと思うわ。でもあんまり好きでいられても困っちゃうだろうけど」
A「なんでですか? 誰かを好きでいるのって、だめなことなんですか」
B「悲しんでいるあなたが好き」
A「え?」
B「竜胆の花言葉」
A「そうなんですか」
B「誰かを好きでいることは素晴らしいと思うわ。どんなに歪んでいようともそれらは愛に違いないもの」
A「そうですね」
B「竜胆を綺麗と思わなくてもいいように、上を向いて歩けるといいわね」
A「なんなんですか、ってあれ? お姉さん? ……いない。もしかしておばけ? どうせおばけなら、ううん。悲しんでいるあなたが好き、か」

狙い

恐直接は描写していないが、少女が誰かを失ったこと、女性は竜胆の化身なのではないかというニュアンスと空気感を背後に感じさせたい台本。直接な描写をあえてしていないので、聴衆に想像させる「余白」をしっかりと残してくれることを期待する。

やり方など

・Aは恋人を一週間前に亡くした

・Aは好きな人をストーカーしている

・Bは竜胆の化身である

・Bは過去に亡くなったAの母、あるいは姉


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