「お疲れ様、手伝いに来たよ。そこにあるやつを運べばいいんだね。じゃあ、早速、お、なんだ、キツイって聞いてたけど案外軽いじゃん。これなら楽勝楽勝。次はあそこのやつね、よいしょ――うわ、重……っ、っと、よい、しょ。へへ、へへ、どうよいけたっしょ? って、おい! 上に新しいやつ載せるな! 落としたらどうするんだ、バカ」
物を持ち上げる動作と、運搬の動作、加重への対応を盛り込んだ内容。手伝いの内容を軽く舐めている主人公が、仕事の厳しさを突き付けられる構図になっている。最終的に責任感を感じている(成長)を盛り込んでいるが、そのセリフは相手キャラへの感情として使用することも可能。
「うわあ、倉庫の中ぐちゃぐちゃ。これ何年放置してたんだ? まあ、しょうがない。やらないと終わらないしね。えーと、Dの棚は、ひー、ふー、みー……在庫よし、と。しかし、これ埃もすごいな。あ、これとかもう変色して色変わってるじゃん。使用期限五年前? 廃棄廃棄! ええい書き直し。Dの棚、要補充。注文数追加で300!」
倉庫に入る→見回す(遠)→数える→筆記する→埃を見る→(咳き込んでもよい)→ひとつを手に取る→よく見る(近)→(投げ捨ててもよい)→筆記する と動作を詰めに詰め込んだ。台本外の情報から自分で動作を盛り込むという点にも着目したい。倉庫整理の作業に対してであったり、変色した備品へだったり、感情も込めやすくしている。また、2度ある「筆記動作」でも、感情や動作程度の差をつけたいところ。
「まさかここまでは来てないと思うけど、じっともしてられないし。うん、大丈夫、げっ! 見つかった! (走る走る)ええと、次はどっちに曲がればいいんだっけ。こっち! (走る) 嘘、行き止まり? 嘘でしょ、どっかに抜け穴とかないの? ああ、どうもこんにちは。今日もいい天気ですね。見逃してくれたりとかは、あはは、しないですよね」
忍び歩き、驚き、走り、その場駆け足、急停止、壁をまさぐる、あとずさり、など色々と緩急漬けた「歩行・走行」の台本。どこで息があがるか等も考えどころ。
「お邪魔します。あれ、誰もいない。ここで待ってろって言われたんだけどな。ま、勝手に待たせてもらうか。(座って)うわー、いい椅子だ。このスプリングすっごい沈む。絶対高いんだろうなあ、革張りの、ウチにも欲しいんだけど迷うなあ。うん、誰も見てないね。よし、とうっ(ジャンプして着席)あははは、すごい、跳んで跳ねても頑丈だこの椅子――はっ! すみません、いつから見てました?」
普通に座る→立つ→ジャンプして座る。楽しい→ばれてピンチ と落差のつけやすい台本になっている。