「まだ起きてたのか。俺も眠れなくてさ。明日ついに魔王と戦うのかと思うと、あんまり実感ないけど、俺たちの旅ももうすぐ終わるんだなーって思って。もう、こうやって野営することもなくなるのかな。思えばここまで長かったよなあ。覚えてるか? お前、初めて俺に会ったときに『このエセ勇者!』って怒鳴りつけたんだぜ。まあ、今となっちゃいい思い出だよな。なあ、俺ちゃんと勇者やれてるかな?」
スタンダードな主人公タイプ。魔王に負けることを一切考えていないという強者っぷり。終わった後のことと、始まったときのことに思いを馳せている。それぞれにどのような感情を込めるのかがポイント。最後の台詞で「不安」や「虚勢」としての演出もできるようにしている。
「ついに明日ですね。ボクたちの長かった旅もここでおしまいです。どうしんたんです? 震えているんですか? (咳払い)大丈夫です、このボクがついています。皆さんがどんな怪我を負ったとしても、ボクが責任を持って治します。今までもそうだったでしょう? だから安心してください。ボクたちは死にません。無事、勝ちましょう。そして戦いが終わったら……、いえ、なんでもありません。それではおやすみなさい」
真面目系のキャラ。フラグを建築している様式美を楽しみつつ、安心させようとしているのか、ただ責務を果たそうとしているかといった、真面目故の不器用さを演出できる台本。最後の台詞で「照れ隠し」としても「事務的」としても演出可能。
「おう、なんだ、まだ見張りの交代の時間には早いだろう? 最後の戦いの前だ、しっかり眠っとかないと、身体が動かねえぞ。俺はいいんだよ、お前らより頑丈だしな。丈夫だけが取り柄だ。ありがとよ、俺みたいな身体を動かすことしか能が無い奴を仲間に入れてくれて。お前らと旅に出てなかったら、今頃村でいいように使われたままだったろうな。いいや、やめだやめだ。湿っぽいのは似合わんな、がはは。俺はもちっと見張りしてるから、しっかり休んどくんだぞ」
ぶっきらぼうさの中の優しさがテーマの台本。快活に笑う部分は必要に応じて加除修正してもよいし、照れ隠しのように控えめに笑うでもよい。屈強さと優しさの二面性を演出する台本。
「おや、まだ起きていたのかい? 夜は危ないっていうのは、この旅の中で最後まで学習しなかったね。まあ、それも明日で終わりか。奴を倒したら君たちと一緒に旅をする必要もないからね、ボクはおさらばさせてもらうよ。ボクらみたいな日陰者は栄光だの、賞賛だのを浴びる立場にないのさ。なんだい。わかったよ、わかったよ。お別れなんかしないさ。はあ、君の頑固さには最後まで勝てなかったね」
癖のあるキャラクター用の台本。言葉の裏の感情をうまく演出できるかがキモ。照れ隠しとしてもよいし、本当はお別れするつもりなのかもしれない。